三点見積もり計算の使い方
- 「楽観値(うまくいった場合)」に、順調に進んだときの数字を入れます。
- 「最も可能性が高い値」に、ふだんどおり進んだときの数字を入れます。
- 「悲観値(うまくいかなかった場合)」に、トラブルが重なったときの数字を入れます。
- 「単位」で時間・日・人日のどれかを選ぶと、期待値と範囲が表示されます。
三点見積もりの計算式
三点見積もりは、PERT(プロジェクト管理の手法)で使われる計算です。楽観値・最も可能性が高い値・悲観値の3つから、1つの見積もりと、そのぶれ幅を出します。
期待値は「(楽観値+4×最も可能性が高い値+悲観値)÷6」で求めます。最も可能性が高い値を4倍して重くみるのが特徴です。
ぶれ幅の目安となる標準偏差は「(悲観値−楽観値)÷6」です。期待値に標準偏差を足し引きした範囲に約68%、標準偏差の2倍を足し引きした範囲に約95%で収まるとみなします。これは正規分布で近似した目安で、楽観値から悲観値の外には広げません。もともとこの割合は、多数(20〜30個ほど)の作業の見積もりを合計したときに、合計が正規分布に近づくことを前提にした考え方です。1つの作業だけで見るときは、参考程度にしてください。
「余裕を持たせるなら」の数字は、期待値に標準偏差を1つ足したものです。表示はいずれも小数第1位に四捨五入しています。
三点見積もりの計算例
楽観値3時間・最も可能性が高い値6時間・悲観値14時間の場合です。期待値は(3+4×6+14)÷6=(3+24+14)÷6=41÷6≒6.8時間になります。標準偏差は(14−3)÷6=11÷6≒1.8時間です。
丸める前の値で範囲を出すと、約68%で収まる範囲は期待値±標準偏差で5.0〜8.7時間、約95%で収まる範囲は期待値±標準偏差の2倍で3.2〜10.5時間です。余裕を持たせるなら、期待値に標準偏差を足した8.7時間を目安にします。
三点見積もりの早見表
最も可能性が高い値を10時間に固定し、楽観値と悲観値を変えたときの期待値です。悲観値を大きく見積もるほど、期待値が後ろにずれます。
| 楽観 \ 悲観 | 悲観12時間 | 悲観15時間 | 悲観20時間 | 悲観30時間 |
|---|---|---|---|---|
| 楽観6時間 | 9.7時間 | 10.2時間 | 11時間 | 12.7時間 |
| 楽観8時間 | 10時間 | 10.5時間 | 11.3時間 | 13時間 |
| 楽観10時間 | 10.3時間 | 10.8時間 | 11.7時間 | 13.3時間 |
三点見積もりのよくある質問
楽観値と悲観値はどう決めればよいですか?
過去に似た作業をしたときの、いちばん早く終わった例と、いちばん長くかかった例を思い出すと決めやすいです。悲観値は「ありえないほど悪い場合」ではなく、実際に起きそうなトラブルを前提にした数字にします。3つの値はどれも同じ単位で入れてください。
楽観値と悲観値を同じにするとどうなりますか?
ばらつきが計算できないため、エラーとして入力の見直しをお願いする表示になります。見積もりに少しでも不確かな部分があるなら、楽観値と悲観値に差をつけてください。差がまったくない作業なら、三点見積もりを使わずその数字をそのまま見積もりにできます。
約68%・約95%という数字はどこから来ていますか?
正規分布では、平均から標準偏差1つ分の範囲に約68%、2つ分の範囲に約95%が入ります。ただしこの割合は、多数の作業の見積もりを合計したときに使う考え方で、1つの作業にそのまま当てはまるとは限りません。1つの作業では、ぶれ幅の大きさをつかむ参考として使ってください。
「余裕を持たせるなら」の値をそのまま見積もりとして出してよいですか?
この値は期待値に標準偏差を1つ足したものです。期待値を出すか、余裕を持たせた値を出すかは、チームや会社の見積もりルールに合わせてください。範囲ごと伝えると、受け取る側もぶれ幅を把握しやすくなります。
出典・前提
- Wikipedia「Three-point estimation」(英語)(期待値と標準偏差の式、合計が正規分布に近づく前提)